抗真菌解説所

抗真菌と真菌の関係

抗真菌と真菌の関係として、まずその言葉の意味から述べると抗真菌とは「真菌に対して抵抗する」こと、真菌とはカビの仲間の生物のことです。
殺虫剤と虫よって例えるのであればこの二つは「殺虫剤と虫」の関係と同じだと言えます。
そして抗真菌作用、真菌に対して抵抗する力を持った薬が抗真菌薬といった形になります。
では抗真菌薬は真菌に対してどういった作用を及ぼして抵抗していくのかというと、これは基本的に真菌自体を死滅させるか真菌の増殖を食い止めるかのどちらかが作用となります。
真菌を死滅させるタイプとしてはポリエン系やキャンディン系に分類される抗真菌薬が挙げられ、ポリエン系は真菌の細胞膜を破壊する、キャンディン系は真菌の細胞壁を消失させる形で真菌を死滅させます。
細胞膜も細胞壁も真菌の細胞を構成するには必要不可欠な物ですから、薬によってそれを破壊してしまえば細胞そのものが構造を維持することが出来ずに死滅して行くわけです。

対して真菌の増殖を食い止めるタイプとしてはアゾール系に分類される抗真菌薬が挙げられます。
このアゾール系はエルゴステロールという細胞膜の成分を新しく合成出来ないように働きかけることで新しい真菌の誕生を防いで対処するのです。
「増殖を食い止めるだけでは治療にならないのでは」と感じる人もいますが、人体からすればそもそも真菌の存在自体が異物なのですから真菌自体を自然治癒力によって死滅させることは可能です。
問題なのはその自然治癒力で対応できないほど真菌が増えてしまうことなのですから、増殖を食い止めれば症状を和らげていくことが出来るのです。
ただし抗真菌薬は即座に症状を和らげるために使われる薬ではないため、効果が出るまでには時間がかかります。
これは真菌が多く存在するほど時間が長くかかるようになりますから、この点はしっかり確認しておきましょう。